ショコラティエ

ショコラティエの働き方改革。お菓子屋は第二次産業革命から変わっていない?

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日頃考えていることですが、夢を売る仕事であるお菓子屋さんの超現実的な話です。

お菓子屋はお菓子のスーパーマーケット

テレビなどで映るお菓子屋は綺麗なお菓子が何十種類も並び、シェフがスマートにお菓子を仕上げて、美味しいお菓子でみんなを幸せにする夢の職業だと思います。

それを見てお菓子屋さんに憧れて就職する人たちが多いです。

ですが、実際に働き始めると現実とのギャップ気付かされます。

 

ご存知の方もおられるかと思いますが、食べ物屋さんは基本儲からない職業の一つとされています。

お菓子屋さんも例外ではありません。

それはどうしてなんでしょうか?

 

 

その理由の一つに人の手作業でお菓子の種類を数多く作っていることだと思います。

お菓子屋さんのほとんどは個人店です。そこで働いている人の数も少ないですが、数十種類また100種類以上のお菓子を取り揃えています。

とてもシンプルですが、一つのものを作り続けるのと何十種類ものお菓子を作るのとでは同じ数を作った場合、作業時間や品質の管理の面でのコストはどちらがかかるでしょうか?

 

圧倒的に後者ですよね!

 

多くのお菓子屋さんがやっているのはこの方法です。

言ってしまえば手作りスーパーマーケットですね。

 

お菓子屋の効率化は機械化?

 

お菓子屋は効率の悪さをカバーするために高額な機械を導入します。そうすると手作業が減り一見効率化されたように思われますが、お菓子屋さんの機械は専門的なものが多いのです。

 

例えば生地を伸ばすだけの機械や、泡立てることしかできない機械、細かく砕くことしかできない機械やそのあとペースト状に滑らかにする機械など。

そのほかにもお菓子を増やせば機械も増えるのというのが一般的です。

こうした機械は一台数十万円から数百万円になります。

 

お菓子屋さんは一つ数百円のお菓子を売って最低でも益が出るまでは稼がなくてはいけません。

機械とはいえメンテナンスや買い替え時期も来ることになります。

機械化したところで人の手がかからなくなることは現状ではありませんし人件費がお菓子屋さんの経費の中では一番多いのです。

 

品揃えを増やすことで常連のお客様が飽きずに買い物が出来ることや働いているスタッフも数多くの種類の仕事があるのでそういった面白みさなどのメリットはあります。

ただ最近ではお客さんは自分の気分に合わせてお菓子屋さんを選ぶことが出来ますよね?

インターネットで全国からお菓子を取り寄せることも簡単です。

 

 

 

これからはスーパーマーケットより専門店

お菓子屋さんは自分を含め作るのが好きな人が多いように思います。

色々作りたいという好奇心があります。

ですが、商品の品質を落とさずに種類を作ることができるとすれば、それは労働時間を増やすしかない。

お菓子屋はこれまでたくさん働くことで品質を保ってきていましたが、お菓子屋さんはお客さんを幸せにする前に働いている自分やスタッフの幸せを考えるべきではないかと、当たり前ですがお菓子屋である前に人間だと思います。

サラリーマンよりたくさん働いているお菓子屋がサラリーマンより安い給料で働くのは納得できません。

 

それを実現させるためにはスーパーマーケットになってはいけないのです。

 

商品を得意分野に絞りそのほかをできる限り削ぎ落とすことが必要です。

例えばうちではショコラを専門としていて焼き菓子もありますが、生ケーキは作りません。

ショコラと焼き菓子の中でもたくさんの種類を作ることができますが、一年を通して販売できる商品を数多く作るのではなく、旬のその時に一番美味しいお菓子を少ない種類で提供できれば一番の理想です。

 

素材ありきの旬のお菓子。

そこで考えたのがシェフの気まぐれ不定期便です。

さらに商品は注文を受けてから作るやり方で在庫を持ちませんので在庫管理や賞味期限切れのお菓子を捨てることもありません。

この食べ物の廃棄問題もお菓子屋が取り組まなくてはいけないことの一つです。

 

お菓子たちをお客様の気分で選んでもらえれば良いと思っています。

生ケーキが欲しい方には他のお店を紹介できますから。

 

 

お客様がお店を選ぶようにお店もお客さんを選びます。

当たり前ですが、お客様はお菓子屋を選ぶことができます。ですが日本にはお客様は神様という言葉があり、それを勘違いされている方も多いように思います。

これはお客様の言うことになんでも応えないといけないと言う意味ではありません。

 

お客様がお菓子屋を選ぶように僕たちもお客様を選ぶことができます。

別に全ての人に選んでもらいたいとは思っていません。

 

自分たちのやり方や姿勢を示してそれに共感してもらえるお客様に喜んでもらえれば、それはとても嬉しくいちばんのやりがいがあることです。

そういうお菓子屋でありたいと思う今日この頃です。

 

 

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