ショコラティエ

美味しいだけではいけない?小麦粉の選び方と使い方。

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またまた、リクエストがあったので

今回はお菓子の4つの基本素材のうち小麦粉の話です。

ショコラティエは小麦粉あんまり使わないんじゃない?と言われそうですが、その通り!

ですがうちは家業が農家であり、焼き菓子も得意なのでその素材選びについて今回も深掘りしていきます。

前回バターについてはこちら https://koudaiuegaki.blogs.co.jp/sozaierabi/

そのまま食べる場合とお菓子に使う場合は全く別。バター編

こんにちは 先日お客さんと話をしていて素材の選び方の話になったので今回はその中でもバターに焦点を当てて、どんな種類があるのか、どう選んでいるのかというテーマです。 目次飼育方法から考えるバターお菓子に ...

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の記事、よかったらご覧ください。

簡単に小麦粉の用途別、使い分け

まず日本では強力粉から中力粉、薄力粉と分けられていますが、タンパク質の量により分けられています。その名の通り強力粉が一番タンパク量が多く薄力粉は少なくその中間が薄力粉です。

お菓子教室でよく聞かれるのは中力粉がない場合はどうすれば良いのでしょうか?という質問ですが、簡単にいうと強力粉と薄力粉を半分づつで中力粉として使えます。

でも実は中力粉と一口に言っても物により様々です。水分をたくさん吸う特製のものから、香りの違いなど品種や製粉のキメの細かさなどでも変わってきます。

 

小麦粉のタンパク質は水を入れて練るとグルテンという物が作られます。これはお菓子や、パンなどを作る時にすごく重要な働きをします。

お菓子を作るの時に使うのは一般的に薄力粉でグルテンの少ないものを使のが一般的です。

スポンジケーキを作る場合で考えると、

軽くふわふわしたものを作りたいのでグルテンが少ないものを使い、あわ立てた卵の気泡を小麦粉のグルテンを出さないようにさっくり混ぜ合わせて軽く仕上げることを目指します。

逆にパンを作るときは、

中力粉から強力粉を使います。理由はグルテンというのが粘り気のある生地を作ってくれるものなので、その場合より強くグルテンを出し、発酵によるガスを生地が風船のように伸びて蓄えることを目指します。

そして食事パンを作るときは、

小麦粉の皮ごと粗く粉にした全粒粉を少し混ぜる場合もありますが、そうすると白い粉にはない味の深みや食感をプラスすることができます。

 

 

僕の場合、お菓子にも中力粉をメインに使っています。

理由としては薄力粉よりも中力粉の方が小麦本来の香りがあること。

クッキーなどを作る場合はあえてグルテンを出して、心地よい歯ごたえがある食感にしたいからです。

以上が簡単な説明でしたが

お菓子でもパンでもショコラでもまず、こんなものを作りたいというゴールがあり、そのあとにそのために作り方とそれに適した素材を選びます。

一方で、とても良い素材を見つけたら、

そこからその素材を最大限美味しく食べられるお菓子を考えることもあります。

その素材に携わった人達や動物たちに対して僕たちは素材の持ち味を生かした美味しいものを作って誰かに届けるという責任があるんじゃないかと思っています。

 

 

みんな大好き、クロワッサンに選ぶ小麦粉

先日、封印します宣言をしたクロワッサンですが、実はショコラティエなのにクロワッサンが好きすぎて、

クロワッサンのためだけに特別な小麦粉を一種類仕入れています。

どんな粉かと言いますとフランス産の小麦粉でパリのバゲットコンクールでいつも上位に入っている人達がこぞって使う粉なのです。

この粉には思い出がありまして修行時代、師匠と東京に行った時の話です。

 

師匠に連れて行ってもらったパン屋さんのバゲットがびっくりするくらい美味しく、その時これまでのバゲットに対する価値観が全く変わったほどでした!

バゲットというのは粉、塩、イースト、水だけで作られるシンプルなものなので、素材の良さと職人の技術が試される基準になります。

そしてその粉を使ってパンを作りたいという思いが強くあり、独立したら早速取引のある材料問屋さんに電話しました。

小麦粉の銘柄を伝えると取り寄せ商品なので数日かかりますとのことでした。

すると問屋さんから電話があり『ちょっと値段がすごい高いんですけど仕入れても大丈夫ですか?』と確認の電話が入ましたが、だいたい予想していたので『大丈夫です!』と即答しました。

京都の大きな問屋さんでしたが、この小麦粉は使っている人がいないのかなと思いました。

ちなみに、一般的な輸入小麦より高い国産の小麦の、その3倍の値段でした。

バターの話の回でも少し触れましたが、うちのクロワッサンはこの小麦の香りを存分に楽しんでもらうために少しバターを減らして、丸一晩生地を休ませるなど、相当研究して作りました。

でもまだまだ研究は続くと思います。

農産物として小麦粉を選ぶ時

実は僕の小麦粉選びはもう一つ。

うちで使っている小麦粉はポストハーベストフリーのものを選ぶようにしています。

ポストハーベストっていうのは簡単にいうと海外に輸送される際、小麦に直接農薬を撒きます。

でないと輸送途中の船の中でカビや虫だらけになってしまうからです。

外国から粒のままに輸入している小麦は基本的にポストハーベスト処理してあります。

気分が悪いのでそういった小麦粉は使っていません。

僕は、輸入品の中でも本国で袋詰めまでされている、ポストハーベスト処理されていないものを選んでいます。

ちなみに、日本国内で収穫された小麦へのポストハーベスト使用は禁止されています。

 

僕の考える小麦アレルギーとグルテンフリーの話

もう一つ小麦に関して言いたいことがありますが、小麦アレルギーに関することです。

人類はずっと昔から小麦を主食にしてきたことが歴史上明らかですが、ここにきて小麦はよくないだのグルテンがよくないなどと言われるようになりました。

僕も20代になってから肌の調子が優れない時があり小麦アレルギーを疑い色々と調べました。

 

一番体に良くないのはやはり残留農薬だと思います。

パン屋さんは一番小麦と触れる時間が長く、小麦アレルギーがでやすい職業の一つですが、食べるよりも粉を吸い込むことがよくないようです。

そしてもう一つは小麦の遺伝子操作により元々の小麦とは別物になっているということです。

 

食べ物をより安く沢山作ろうとした結果、昔からは考えられないくらいの収量がある小麦に改良されているのです。

僕はパンがすごい好きでめっちゃ食べていたのでそれを知った時に愕然としました。

どうしてもパンが食べたかったので、自分が食べる主食として食事パンを焼きことにしました。

 

小麦粉はドイツ産のオーガニックライ麦とドイツ産のスペルト小麦と呼ばれる原種に近い小麦と、クロワッサンに使っているフランス産の小麦をブレンドしています。

フランスの天日干しのミネラルたっぷりの塩と自然豊かな大屋町の水だけで練り上げて作ります。

酵母も小麦から起こしたものを継ぎ足し使っています。

いくら体に良くても美味しくないと嫌なので今考えられる最高のパンだと思っています。

まだまだ勉強不足なのでもっと素材のこと学ばなければと思う今日この頃ですが、なんか思いの外暗い話になっちゃったので今日はこの辺で終わりにします。

 

 

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